　いつものバス停にて――

「今年は冷夏になるか～」

　月夜がなぜかグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。

「暑いよりはいいケド……米が不作になっちゃうのよねぇ～。天気が悪い日も続いてるし、米がお米がとれないと牛丼の価格が……」

　そんな心配をしながら、曇りぎみの空を見上げる。

「――そういってて、八月になるとビックリするぐらい暑くなるときもあるのよね～。このままあんまり暑くならないといいけど……お米もとれて」

　そんな都合のいい事をいっている月夜の隣では、

「あるマンションのハトたいさくがスゴイ？」

　イブキがTwitterで話題のそんな記事を読んでいた。

「なんだぉ～？」

　そういって記事を下へとスクロ～ルさせ、読み込まれた画像には、

「タカっ!?」

　おもわず驚きの声をあげるイブキ。

「ハトたいさくでタカをヒショ～させる……そんなホ～ホ～あんだっ!?」

「鷹の姿を見せとくと、寄り付かなくなるらし～わよ」

　月夜がそう口を挟んでくる。

「へェ～……そなんだぁ～……」

「カラスなんかにも有効で鷹匠さんが呼ばれる事もあるんだって」

「そっか～……ワンコやニャンコも月夜がでたトコにはこなくなるモンね。そ～ゆ～モンかなぁ～」

　イブキの言葉に涙目になる月夜だった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい