ぽてト。

いつものバス停にて――


「タピオカ流行ってるわね〜……」

月夜がグルメ系アプリの中に多数あるタピオカ商品を見ながら、


「映えるのはいいんだケド……ウチの好きな物と合わせて難いのよね〜……牛丼、ラ〜メン、ステ〜キ……」

月夜がタピオカをいれたら絶対に映えない食べ物をあげていく。


「ハンバ〜ガ〜なんていれよ〜がないし……焼き肉でタピオカって……網で焼くワケにはいかないし……」

そんな風にタピオカとの距離が遠い月夜の隣では、


「ぽ、ポテトのなかとまれる……」

イブキがそんな意味不明な言葉を洩らす。


「アメリカできょだいなポテトのなかをくりぬいて、キャクシツにしたホテル。いっぱく200ドルからかぁ〜」

巨大なジャガイモの画像と内部の画像を見ながら、


「おなかがすいたら、そのへんのカベをかじっていいのかなぁ〜?」

まるでネズミのような発言をする。


「そこにポテトに似せてるだけで芋でできてるワケじゃないって書いてあるじゃない」


「そっか〜……」

月夜に指摘され残念そうに、


「まあ、好きな物の中に住みたいのはわかるわっ! ウチもいつかステ〜キの家とか牛丼の城とか行ってみたいっ‼︎」


「アブラですべりそ〜だね」

月夜の妄想にそう言うイブキだった。

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