らすとちゃんス。

 いつものバス停にて――


「またSE2販売のウワサでてるわね~」

 月夜がそろそろバッテリ~の劣化が目につくようになった自身の小型スマホをあやつりながら、


「いまヤツってど~も手に馴染まないのよね~……大きいし、食べ物はお~きいほうがいいけど、スマホはね~。片手でおさまるサイズがいいわ」

 そういいながら細く長い指が特徴的な手をみる月夜。


「つかってみると、そんなにきになんなくなるよぉ~」

 隣でイブキが最新型のスマホを振りながらそんな事を言ってくる。


「でみ、ウチはこのサイズが使い慣れてるから……」


「わかってないなぁ~。スマホはセ~ノ~だよアニキっ! スマホのセ~ノ~がセンリョクのケッテ~テキなサなんだよっ!」


「サイズ感は重要だと思う……」


「でも、SE2はたぶんでないよぉ~」

 今まで何回も噂になってデマだった過去を思い出しながら、


「まえなんてインドのコ~ジョ~でカナガタまででたのにデマだったからねぇ~……もうなにでてきてもシンヨ~できないよねぇ~」


「ウチもそんなには期待していないわ。二〇二〇年にでなかったらフツ~に買い替える」


「え~! あとイチネンもそんなキュ~シキのツキのイサンつかうのっ!?」



「そ、そこまで古くないわよっ!」

 愛用品を突き付けながら、そういう月夜だった。

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