こ〜ス。

いつものバス停にて――


「なんか急に暑くなったわね〜」

月夜がそんな事を言いながら照りつける太陽を見上げる。


「まだゴガツなのにねぇ〜……」

ネイルを乾かす小型のファンを顔に向けながら、イブキも同意する。


「熱中症で四六〇人も倒れたらしいわね」


「そんなヒのよくじつはやすみにしたらい〜のに……」


「五月だから油断してたってのもあるケド、今年の夏はど〜なっちゃうのかしらね〜?」


「そだね〜。アイスがとぶよ〜にうれそ〜だよねっ!」


「ドリンクや熱中症対策商品も売れそうよね〜……熱中症になった人たべさせる栄養満点の牛丼とか流行んないかしら?」


「よわってるヒトにムチうつコ〜イだよっ! やっぱしネッチュ〜ショ〜のヒトにはアイスだよっ‼︎」


「急激に温度下げるのいいのかしら? それにアイスって栄養価低そうじゃない?」


「ん? ひくいならいっぱいたべさせればいいじゃない?」


「……そのたびに体温ドンドンさがちゃうじゃない。弱ってる人だと、そのまま危険な状態になりそ〜」


「そっかなぁ〜? もしイブキさんがたおれたらアイスいっぱいコ〜スでおねがい」


「わかったわよ。その代わりウチが倒れたら牛丼いっぱいコ〜スね」

とての倒れる気配のない二人はそう約束を交わすのだった。

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