もじョ。
いつものバス停にて――
「あ〜あ〜コトシはいいゲ〜ムラッシュですっかりバレンタインわすれちゃってたよ〜。カプコン、バンナム、スクエニめぇ〜」
イブキが自分のウッカリミスをメ〜カ〜のせいにしていた。
「そ〜いえばクラスでも女子にばっかり配ってる子いわたね〜」
メガネをしたいかにも文学少女といったクラスメイトの顔を思い出しながら、
「あのコ、オトコのヒトにはセンセ〜かおと〜さんにしかあげてないって」
「へぇ〜……そうなんだ」
「イブキさんももらったけど……」
「もらったんだっ⁉︎ ウチももらったケド……」
「ねんねんレベルあがってるよね〜。イチネンのコロはチョコとかしてカタいれてぐらいだったのに……コトシはフロランタンだモン!」
「そういえばそ〜ね」
「シンガクしてもやってたらパティシエかおまけになりそ〜」
「逆に毎年つくってるけど、別方向にいく娘もいるわよね?」
「いるいる! イチネンのときはチョコ、ニネンでタマゴヤキ、サンネンでカラアゲ――どしてそ〜なったっ⁉︎ てきなコ」
「そ〜考えるとバレンタインもいろいろよね〜」
「ひとつモンダイはだれひとりとしてロマンすがハッセ〜してないコトだよね〜」
全く男子抜きバレンタインを過ごしてきた二人だった。
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