こんどこソ。

いつものバス停にて――


「ぎ、牛丼屋が赤字でセルフサ〜ビスに切り替わるっ⁉︎」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「 肉や米の原価が上がるも価格を維持しているのが赤字の主な原因……くっ! こんなにもがんばってるなんて……もう税金を投入して救うしかないわっ! 航空会社よりも市民のインフラである牛丼を助けないとっ!」

月夜の中では水や電気に匹敵する必須なものになっている牛丼屋の未来をそんな無茶な事で救おうとする。


「今後五年かけて四割の店舗をセルフに切り替える……まあ、仕方ないわね。ウチとしては全自動牛丼制作機を開発してほし〜んだケド……クラウドファンディングで資金でも集めようかしら?」

月夜がそんな事を言っている隣では、


「さいしんのブンセキによってマヤのヨゲンは2019ネンの12ガツ21ニチだとハンメ~っ!?」

 イブキがそんな怪しげな記事を読んでいた。


「おぉ! ついに……ついに……ことしのおわりにチキュ~ほろびるんだっ!!」

 なぜか嬉しそうにそんな事をいう。


「またいつもの事よ、なんにも起こらないわよ」


「いやいやマヤだよ! こだいブンメ~なのにゲンダイにヒッテキするギジュツがあるマヤだよ!! スペインのヒトにホロボサレタマヤだよ」


「現代に匹敵するほどの技術があるなら滅ぼされないんじゃない? またハズレて数年後に実は――みたいなパタ~ンよ」


「もし、なんにもおきなかったらイブキさんがスカイネットつくってほろぼすモン!」


「もはや目的と手段が逆になってるわね」

 来年があるかどうかは誰にもわからない。

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