しんぎゅらりてィ。

いつものバス停にて――


「牛丼屋の福袋ね〜」

月夜が肉まん片手にそんな記事を読んでいた。


「とりあえず値段と同じ額のク〜ポンとオリジナル弁当箱に箸とケ〜ス……ク〜ポンの時点で元はとれるケド……牛丼はなしか〜三杯ぐらい入れといてくれたらいいのにな〜……」

黒いオリジナル弁当箱と箸の画像を見ながら、


「2050ネンまでにシンギュラリティがくると90パ〜セントのヒトがカイト〜」

イブキがテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「なんだろ? シンギュラリティって」

イブキの脳裏になぜかゴジ◯が暴れまわる姿が浮かぶ。


「カイジュ〜かな? シンギュラリティ……」

そんな事を言いながら記事の先を読み進める。


「シンギュラリティ――ギジュチテキトクイテンとはジンコ〜チノ〜がジンルイのチエをぬいたときのコトをいう……そうなんだ。で、90パ〜セントのヒトが2050ネンまでにくるっておもってんのか〜」


「二〇五〇年もかかるかしら? アンタよりスマホのほうが賢そ〜だケド」


「ふふん♪ イブキさんにかてるコンピュ〜タ〜なんかいないよ」


「ゲ〜ムの話しでしょ?」


「ゲ〜ムがいちばんジンルイとキカイがバチバチにたたかいあってるから!」


「でも機会が人類を超える可能性があるなら――」

少し考えた後、


「牛丼をさらに進化させる事ができるかもしれないわね〜……もし人が思いつかないような牛丼を作ったらウチが認めるわ!」

牛丼の未来を人工知能に託す月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る