ば〜じょんあっプ。

いつものバス停にて――


「あけおめ〜。ことしもヨロシクね〜」


「誰に言ってんのよ」

バス停をダブダブの袖で拭きながら、そんな事を言っているイブキに月夜が声をかける。


「ん〜……ことしもコイツのおせわになるなぁ〜って」


「まあ、そうかもね。でもコレ結構ボロくない?」


「月夜がインセキうちかえしたり、ショ〜ワクセ〜はかいしたりしてるからね〜……むしろジンルイにいちばんコ〜ケンしてるバスて〜かもね」


「しょ~がないじゃない、いつも手に届くトコにあるし。それにウチとしてはもっと下の石の重さがね〜……も〜少しズッシリとくる感じのが好みなのよ」

バス停を持ち上げながら、そう不満を洩らし、


「そうそう最近、ソ〜ラ〜パネルついて時刻表のとこが光るようになったのよ〜」

自分のお気に入りアイテムを自慢する様に、


「へェ〜……」

改めて時刻表を見ると、確かに上のほうに――


「われてるっ⁉︎ パネルもLEDも」


「過酷な環境だからね。も〜少し頑丈に造ってくんないとね〜あとネット接続とか――いっそコレWi-fiスポットになんないかしら?」


「そのまえにアダマンタイトとかオリハルコンでつくんないともちそ〜にないかも」

激しい衝撃を受け捥げて、どこかに行ってしまったバス停の置かれた地名が書かれた赤く丸いアレがあるトコを見ながら、


「あと呼んだら、飛んでくるようにしてほし〜わね! 笛とかさ」


「マグ〇たいしじゃないんだから……あぁ……せっかくのソ~ラ~パネルとLEDが……」

ボロボロのバス停を撫でながら、そんな事をいうイブキだった。

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