いちおくねんゴ。

 いつものバス停にて――


「ビ~フハンバ~グ定食か~」

 月夜がバケツのような入れ物にはいったチキンを食べながら、グルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「なんでアサからチキンたべてんの?」

 イブキが当然のように聞いてくる。


「ん~……クリスマスジ~ズンで安く売ってたから? 一年で二五日の付近でしか味わえない事よね~。そ~思うと結構、貴重かも?」


「そ~かもしんないけど、アサからチキンはね~……」

 大量のチキンがはいったバ~レルを見ながら、


「そ~かしら? おいし~わよ」

 レッグチキンを差し出しながら、


「イブキさんはいいよ」

 鶏の脚を断りつつ、読んでいたテクノロジ~系ニュ~スの記事に意識を戻した。


「ふ~ん……クリスマスデ~トする未婚者は二割程度……ホント日本の未来は暗いわね~」

 鶏のモモにかぶりつきながら、そんな記事を読む月夜。


「でも、いっかしてみたいよね~?」


「まあ、一回くらいわね~」

 器用にレッグチキンを回しながら、まんざらでもなさそうに返す。


「んんぅ!? みてよ月夜」

 イブキがそう言いながらスマホ画面を見せてくる。


「イチオクネンゴにはドセ~のワがなくなっちゃうんだってっ!?」


「一億年後ならいいじゃない」


「ん~……そ~いわれてみたらそ~かも」

 クリスマス直前でも全く変わらない二人だった。

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