ばきばキ。

 いつものバス停にて――


「回転スシのチェ~ンがキャンペ~ンの大トロが売り切れになって緊急のおわびキャンペ~ンを開始?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「しかも倍トロっ!? ネタの大きさが通常よりも大きい……どんなんなんだろ~……」

 月夜は明らかに無理がある大きさ――ベッドのマッドレスぐらいの大きさを想像する。


「さすがにないわよね~……」

 イメ~ジしながら、そう言いながら苦笑いする月夜の隣では、


「うぅ……」

 そんな声を洩らしつつスマホ画面を撫でているイブキがいた。


「われたぁ~……またわれちゃった……」

 スマホ画面にクモの巣状に跡を撫でながら


「なんでいっつもスマホってガメンのほ~からおちんだろ? これってゼッタイなんかあるよね? カイメ~したらノ~ベルしょ~いけるかな?」

 ノ~ベルさんが聞いたら引き攣った笑顔のままダイナマイトを投げつけてきそ~な事をイブキ。


「もうあるみたいよ。ほら――」

 月夜はそういいながら、傷ひとつない完全な画面を見せてくる。


「これによると、人間の手の高さにあたる一、五メ~トルの位置から指の位置を回転軸にして落下させると必ず画面側が地面に接地すんだってさ~」


「え~……も~あんだ、イブキさんのノ~ベルしょ~が……」

 残念そうにそう洩らすイブキ。


「アンタ、スマホが割れない方法を探してたんじゃないの?」

 いつの間にか目的が変ってるイブキにそう言い放つ月夜だった。

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