ねゾ~

 いつものバス停にて――


「歓呼地にある、ちょっと変わった食べ物?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「あ~……あるわね。ちょっと変わったご当地の食べ物。ネタ的に食べるのはいいけど、実際においし~のは少ないわよね~」

 そんな事を言いつつ、続きを読み進める。


「そんな中で軽井沢にある変わり種の中華まん? ご当地ネタで中華まんってのも珍し~わね~」

 言いつつ下へとスクロ~ルされ商品の画像が読み込まれる。


「わさび肉まんっ!?」

 緑色の中華まんにそんな声をあげる月夜。


「これは……さすがに……」

 その異質な中華まんにたじろぐ月夜。


「一回食べてみないと」

 基本、なんでも口にいれる月夜の隣では、


「つかれがとれる。ネゾ~か~……」

 首や肩をグルグル回しながら、そんな記事を読んでいた。


「さいきんつかれがとれないんだよね。こ~ゆ~のためしてみよ~かな~?」


「アンタの場合、ゲ~ムで夜更かししすぎてるだけでしょ。もうすぐ夏休み終わりなんだから、生活リズム戻しなさい」


「月夜だってナツコミのときはゾンビみたいだったじゃん。これをためせばナツコミちゅ~もフレッシュになれるかもよ~。おっ! よこむきにねればヒカクテキほかのシセ~よりもつかれがとれるト~ケ~、デ~タがあるか~」


「あぁ……。じゃウチやってるわ」


「そなの?」


「胸が邪魔で仰向けやうつ伏せってできないのよね~」

 直後、暴れ出すイブキだった。

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