あジ。

 いつものバス停にて――


「へぇ~……カワイイわね~」

 月夜がTwitterで話題の記事と画像を読みながら、そんな声を洩らす。


「こんなキャラがいるなら、ちょっと見てみたいかも?」

 そんな事をいっている月夜スマホ画面をみたイブキは、


「おぉ! ユキンコだっ!!」


「なに知ってんの?」


「うん! なんぜんたいかったかわっかんないぐらい」


「狩ったのっ!? こんなカワイイのにっ!!」

 イブキの言葉に驚く月夜。


「まあ、モンスタ~だかね。からないとケ~ケンチが……そ~ゆ~ゲ~ムだし」


「そ~なの? こんなにカワイイのに……」

 月夜が藁の頭巾をかぶった愛くるしいモンスタ~の姿を見ながら、


「そんなカッコ~してても、そこそこつよいからネ。ソイツ! イブキさんのケ~ケンチを70マンぐらいゴッソリもってたからネ! ソイツ……まあその4,5バイかせ~だけど」


「へぇ~……」


「んで、そいついっぱいたおしてると、ちょっとおおき~ジョ~オ~がでてくんだよ」


「そ~なの?」

 月夜はその姿をそのまんまデッカくしたモノをイメ~ジする。


「だいたいそれであってるよ~」

 イブキはそれを察知して、そんな事をいう。


「でも、コイツおいし~んだよね~」


「そなのっ!?」


「そそ」


「やっぱし、そ~なんだ~」


「あんましイタいコ~ゲキないし、いっぱいわくし、キョッテンちかいし」


「えっ! イナリ寿司でしょ味は?」


「アジっ!?」

 微妙にかみ合わない二人の会話だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る