らいねン。

 いつものバス停にて――


「あ゛~……」

 イブキがドンヨリと曇りぎみな空を見上げながら、気だるげにそんな声を洩らす。


「由比ヶ浜海岸にカツオノエボシが発生っ!?」

 大仰にバス停へ寄りかかるイブキを無視して月夜はそんな記事を読んでいた。


「カツオノエボシかぁ~……アレって透明で薄青色で見た目はすっごい綺麗なのよね~」

 月夜が薄青色の風船のようなモノを思い浮かべながら、


「あんまりにも綺麗だから、ついつい手に取っちゃいそうになるのよね~……猛毒があるから、ゼッタイ触っちゃダメななんだケド……」


「う゛~……」

 再びゾンビのような唸り声を洩らすイブキ。


「結構、知らない人もいるからアブナイわよね~」


「あ゛~……」


「もう! なんなのよっ! さっきからっ!!」

 イブキの上げた三回目の声に反応する月夜。


「ゴ~ルデンウィ~クがおわちゃった……キョ~からガッコ~……」


「アンタ毎年それやってんじゃん」

 呆れ顔でそう返す月夜。


「だって~……」


「すっごい満喫したんでしょ?」


「ゲ~ムづけだった……すっごいマンキツ……もどりたいなぁ~……」


「来年は一〇連休らしいわよ」

 そういってソマホ画面のカレンダ~を見せる月夜。


「おぉ! ライネンはもっとながいのかっ!?」

 そういって復活したイブキに単純だな~と呆れる月夜だった。

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