げんゴ〜。

いつものバス停にて――


「う〜みゅ……うれすじゼッコ〜チョ〜のパワプロがバグぞくしゅつ……なんだろ? すっごいうごきまくるキャッチャ〜でもでたのかな? ライトまえキャッチャ〜フライとかはっせ〜したのかな?」

イブキがワクワクしながら、続きを読み進める。


「ト〜シュをDHと〜ろくでシアイにだすとフリ〜ズ……あいてチ〜ムのエラ〜りつをあげるアイテムもつかうと、なぜかジブンのチ〜ムにコ〜カがでる……メ〜カ〜はアップデ〜トでタイオ〜するとコメント。またミカンセ〜ひんをだしてさわがてちゃうなコレ」

イブキがそんな感じで騒動を観察している隣では、


「そっか~……」

 月夜が平成も残り一年という記事を読んでいた。


「今まで一三〇〇年間の歴史で二四七の元号が使われた。ふ~ん……そ~いわれてもピンっとこないわね~。でも新元号はみんなが大好きな物がいいと思う――例えば『牛丼』とか!」

 月夜が国の存亡にかかわる様な発言をしていると、


「いやいや。みんなダイスキってイミなら『きょにゅ~』でしょ! オトコのヒトもオンナのコもおっきいのがダイスキっ!!」

 こちらも負けずアブナイ発言をするイブキ。


「巨乳元年とかいうの? 絶対ないわっ!!」


「え~! ギュ~ドンがんねんもナイでしょ!」


「あっ! 俗用されているものはダメ……」


「ゾクヨ~ってなに?」


「う~ん……一般的に使用されている言葉はダメなんだって」


「かった! キョニュ~はあんまりつかわれていないっ!!」


「国民の理想としてふさわしいよい意味ってのもあるケド……」


「ピッタリ! キョニュ~はみんなのアコガレっ!!」

 そういって勝ち誇るイブキに呆れ顔を向ける月夜だった。

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