びびっト。

 いつものバス停にて――


「ポ。ポテ~トがっ!?」

 グルメ系アプリを見ていた、イブキがそんな干妹みたいな声を上げる。


「ゲ~ムのおともにサイテキなポテ~トがいまだけ25パ~セントぞ~りょ~っ! でも、25パ~セントってどんくらいふえてんだっけ? だれかアキラ100パ~セントでたとえてくんないかな~?」

 イブキがポテトチップの量を芸人に例えてとか無茶振りを口にする。


「2017ネンにあったポテ~トチップハンバイキュ~シのおわびにかぁ~……アレはタイヘンだった……ホントにタイヘンだった……」

 イブキが大好きなメ~カ~のポテチがなくなり、代替品を探し回っていた去年の自分の思い起こしている隣では、


「運命の人に出会うと胸がドキドキ、ビビッ、キュンとかするんだ」

 月夜がそんなガラにもない記事を読んでいた。


「相手の匂いが好き……あぁ……そ~よね~……とってもいい匂い……」

 月夜が陶酔したようなウットリとした表情で、


「ものすごい存在感で身体ごとそちらに引き寄せられるような感じ。そうそう! まさにそんな感じなのよねっ!」

 わかるわかると頷く。


「いつも心のどこにいる存在。なにをやってても考えてても、ついつい考えちゃうのよね~」


「すっごくオトコのヒトのコトっぽくいってるけど~?」


「もちろん牛丼の事よっ!」


「だよね~」

 清々しいほどの良い様にそう返すイブキだった。

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