えいぷりるふ~ル。

 いつものバス停にて――


「さぁ~……なにか美味しくって量もいっぱいで、できれば肉々しい情報ないかしら~」

 月夜がいつも通り、そんな事を言いながらスマホをイジり始める。


「KFCでチキン食べ放題とかマックで肉三倍とか。牛丼頼むと三つでてくるとか、そんな話しないかしら~――じゅるり」

 そんな妄想に近い事を口にする月夜に、


「ふふん♪ もし、そんなはなしあってもあんまし、しんじないほうがいいよ」


「えっ! なんでよ?」



「だって、キョ~はエイプリルフ~ルだよ!」

 イブキはスマホのカレンダ~を指しながら、


「なんでキョ~。でてるジョ~ホ~はぜんぶネタだとおもってい~よっ!」

 まるで、それが真理だっ! いわんばかりに言い切る。


「さすがに全部は言い過ぎでしょ~」

 半ば呆れ顔でそういう月夜。


「ぐんよ~レ~ザ~がジツヨ~レベルになったとかってニュ~スもネタだし、ゲ~ムがいしゃのセガがアキバでタイヤキやをやるなんてのもモチロンねた。セガがタイヤキなんてやるワケないよっ!!」


「そ、そ~なの?」

 イブキの様子に圧される月夜。


「もちろんハルヤスミのシュクダイなんてモノをウソだよっ!」


「いや。それは本当」

 ネタで押し切りたいイブキにそうさせない月夜だった。

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