え~あイ。

 いつものバス停にて――


「おぉ!」

 イブキが愛用の新型大型スマホでなにかを読みながら、そんな声を上げる。


「あのメ~サクえ~が『マトリックス』のゾクヘンでるんだっ!?」

 イブキが黒いサングラスにコ~ト姿の男が背をのけぞらせて弾丸を避けるシ~ンを思い起こす。


「う~みゅ……まえはメ~カクにヒョ~ゲンされてないけど、シュジンコ~しんでるっぽいけど、ヘ~キなんかな~?」


「キャストはまだなにもきまってない……やっぱしあたらし~シュジンコ~になんのかな~?」

 イブキがそんな風に名作の新作の事を考えている隣では、


「AIがニンゲンの記憶を映像化する事に成功かぁ~」

 月夜がテクノロジ~系ニュ~スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「すっごいわねっ!? こんな事できるようになったらアニメや映画も簡単に作れるようになりそう」


「いやいや。もっとイイコトにつかお~よ!」

 月夜の言葉を聞きとめたイブキがそう口を挟んでくる。


「みたモノをエ~ゾ~かできんだよっ!」


「犯罪捜査で目撃者から犯人の顔を再現とか?」


「いやいや。たとえば月夜のきがえをみたイブキさんのキオクをエ~ゾ~かしてオトコのヒトにうるとか――」


「アンタのほうが下らない使い方してるじゃないっ!!」

 呆れ顔でそう言い放つ月夜だった。

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