なかのひト。

 いつものバス停にて――


「王将の焼きクリ~ムチャ~ハンが登場?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「王将がそんなオシャレなモノをね~……なんかちょっとイメ~ジと違うなぁ~」

 そんな事を言いながら続きを読み進める月夜。


「全国の従業員にメニュ~コンテストしてグランプリになったものを商品化かぁ~……見た目は完全リゾットかドリアみたいな感じよね~」

 読み進める間に読み込まれた画像を見ながら、


「作った人は若い女性や子供向けにファミレスなどでも親しみのある『ドリア』を中華でアレンジした結果できあがった。ふむふむ……まあ、一回は食べるケド……やっぱしイメ~ジがね~いっそ餃子ブチ混んじゃったらいいのに~」

 月夜がそんn魔改造を企んでいる隣では、


「イベントでドンちゃんのなかのヒトがうっかりみえてしまうハプニングがハッセ~?」

 イブキがゲ~ム系ニュ~スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「ドンちゃんってタイコのマスッコットキャラだよね? あんなのがポロリするなんってど~ゆ~コトだろ??」

 そんな事を洩らしながら続きを読み進めると、


「あぁ……タイコのキグルミのオシリのブブンがおちゃったのかぁ~……」

 イブキが着ぐるみの一部分が脱落して中の人が丸見えになっている画像を見ながら、


「トチュ~でなかのヒトがダツラクにきづいて、ヒッシにかくそ~とするバメンも……やっぱしみえちゃダメなんだね~」


「こ~ゆ~の特殊な訓練でもつむのかな?」

 月夜がそういって口を挟んでくる。


「そ~かもね~」


「千葉のあっこなんて相当すごい訓練とかやってそ~よね?」


「なにいってんの月夜。あっこのランドはなかにヒトなんかはいってないよっ!」


「いやいや、まえに目の部分から人の顔が透けて見えてる画像――」


「しっ! なかのヒトなんていないのっ!! いいね」

 月夜の口を手で押さえ言い含める様にそういうイブキだった。

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