あつあツ。

 いつものバス停にて――


「牛丼チェ~ン店が無料キャンペ~ンに謝罪?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「混雑して店舗周辺に迷惑をかけたと謝罪。次回からはドライブスル~休止や期間中は提供効率をあげるためにメニュ~を絞る、また希望すれば一週間以内であればどこの店舗でも使用できる無料引換券を配布かぁ~……みんな牛丼好きだもんね~仕方ないよね~。牛丼無料なんて一億人以上が殺到するだろうし……」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「ヒキカエケン……テリ~がど~したの?」

 イブキが月夜の呟きを聞きつけて、そんな事を言っていた。


「テリ~? って誰よ??」


「ユ~メ~なヒキカエケンのヒト」


「なんの事かわかんないケド、たぶん関係ないわ」


「そっか……」

 なぜか少し残念そうな表情で読んでいたスマホ画面に視線を戻す。


「そんな事なにを一生懸命読んでんの?」

 月夜がひょいとイブキのスマホを取り上げる。


「パンを咥えて遅刻ギリギリで登校する女子高生はいないケド、どん兵衛を食べながら遅刻ギリギリで登校する男子高生が発見される? なにこれ?」


「そのまんまだよ。オ~サカでそ~ゆ~ダンシコ~セ~がはっけんされたんだって」


「へぇ~……。でも、なんでそんな記事を真剣に読んでたの?」


「ん~……もしラブコメみたいにだれかとブツかったら、どっちもダイサンジかな~……って」


「あぁ……そんな事考えてたんだ」


「もし、イブキさんとブツかったらオアゲはゼッタイうばいとるけどねっ!」


「そこは誰も争わないと思うわよ」

 イブキのアブラ揚げへの執着にそんな事を言う月夜だった。

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