やさしサ。

いつものバス停にて――


「ほう……24シュルイのクリ〜ムソ〜ダがのめるとな」

イブキがベテランのソムリエのような表情で、


「へェ〜……クリ〜ムソ〜ダっていえば、ミドリのアレだけっておもってたけど、ケッコ〜しゅるいあんだ――ラベンダ〜とかどんなアジがすんだろ? ザクレロ――じゃなくってザクロもきになるなぁ〜……うえにのってるアイスもおいしそ〜だし」

イブキが様々な色のソ〜ダ水が写った画像を見ている隣では、


「オ〜ストラリアで生きたロブスタ〜を優しく調理しないといけない法律ができた?」

グルメ系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読みながら首を傾げていた。


「これまで甲殻類は痛みを感じないから、生きたまま茹でても問題ないとされてきたが、このほど動物愛護の精神から、冷やして失神させてから調理、または電気で即死させてから調理――う〜ん……これが優しさ?」

月夜がそんな事を見て言いながら疑問符を浮かべる。


「けっきょくたべちゃうならやさしもなにもないよね〜」


「そ〜だけど……ほら、自分の味に納得して、満足して食べられてくれたほうがこっちとしても嬉しいとゆ〜か……」


「いやいや、たべられるほ〜は「ぎゃ〜! やめて〜っ‼︎」としかおもってないよ」

夢の中で何回か月夜に捕食されたのをイメ〜ジしながら、そんな事をいうイブキだった。

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