きえるゆきチ。

いつものバス停にて――


「う〜みゅ……カソ〜ツ〜カがにぎわってるなぁ〜」

イブキがさまざまな『なになにで儲かった』スレを見ながら、


「ビットコインはもうたっかいしな、リップルやネムあたりをチョイチョイとかっといたほ〜がいいかな?」

時価と種類を見ながら、その後につづく長い特性は読まずにそんな事を言っているイブキの隣では、


「も〜すぐ一万円札が廃止になる可能性?」

月夜がそんな記事を読んでいた。


「へぇ〜……世界的には高額紙幣って減少傾向にあるんだ。でも、一札八三万円の一万シンガポ〜ルドルが廃止とかじゃ、あんまし説得力ないかな〜」

月夜が記事中に紹介されている事例を読みながら、


「一万円や五〇〇〇円を廃止する事によって、現在銀行などに預けられていない現金で保管されている貯金が市場に出回って経済が活性化するかぁ〜……ほんと〜にあんのかしら?」

月夜はタンスをあけたら中に一万円札がギッシリ詰まっているのをイメ〜ジする。


「ね。アンタそう思うでしょ?」


「ん? なになに??」


「一万や五〇〇〇円札が廃止になるかもって話しよ」


「えっ⁉︎ ユキチつかえなくなっちゃうのっ‼︎」


「――かもしれないって」


「タイヘンじゃん! はやくつかわないとっ‼︎」


「こ〜ゆ〜人ばっかしなら経済活性化するのに」

呆れながらそういう月夜だった。

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