あト……。

いつものバス停にて――


「ふ〜みゅ……スイッチをタイリョ〜しゅっかでテンバイさんシボ〜かぁ〜……」

イブキがゲ〜ム系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「ツイッターとでもアサおきたらスイッチあった、サンタさんありがとうみたいなのいっぱいあったし、よ〜やくほし〜ヒトにいきわたったのかな? クリスマスにあわせてやるなんて、さすがニンテンド〜! やるじゃん‼︎」

イブキがそんな事を言っている隣では、


「あっ! これカワイイっ‼︎」

月夜がスマホのフリマアプリで小物を探していた。


「クリスマスに彼女にあげようと用意した物でフラれたの出品します。ええっと……詳細を教えてください――っと」

商談用のチャットでそんな事を書き込む。


「んんっ⁉︎」

続く返信を読んで驚く月夜。


「クリスマスの夜に――ってなんでこの人、フラれた時の詳細を語りだしたんだろ? 商品の詳細をお願いします。っと、日本語ってむつかしいな……」


「それにしてもホント、クリスマス明けって未使用のアクセ出品多いわよね〜値段もすっごくお手頃だし」

4ドとかロゴのはいってる物の画像を見ながら、


「ん? なんでクリスマスのあとだとオ〜イの?」

月夜の言葉を聞きつけたイブキが不思議そうな表情で、


「それは――ほら、男性が好きな女性にプレゼントするじゃない、でも相手の女性はべつに好きじゃなかったりしたら――ね? わかるでしょ?」


「? もらったら、とりあえず「ありがとう」いって、なにかおかえしかんがえて……ど〜したの月夜」


「……いや、ウチって汚れてんのかな〜って……」

澄んだ冬空を見上げてそう洩らす月夜だった。

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