よテ~

いつものバス停にて――


「う~みゅ……」

 イブキがゲ~ム情報を見ながら、そんな声を洩らしていた。


「ゼノブレ2にチキュ~ボ~エ~にバイオ7のついか、15もイグニスさんくるんだっけ? コンゲツやるコトいっぱいだ~クリスマスとかダイジョブかな~?」

 イブキがそんな心配をしていると、


「大丈夫かな~? 予定でもあるの?」

 月夜が中華まんを食べる手を止めて口を挟んでくる。


「ん? そんなのこれからできるんだよっ!」

 月夜の言葉にそんな答えを返す。


「へぇ~……毎年言ってる気がするケド~……」

 月夜がいつもの事かぁ~と慣れた様子で流す。


「きっと、も~すぐスイッチのにあうオトコのヒトがイブキさんにコエかけてくるんだモンっ!」

 本当にそう信じて疑わない様子で言い切る!


「前も言ったけど、仮にスイッチ? よくわかんないけど、の似合う男性がいたとしてもアンタがゲ~ム好きってわっかんないから声なんてかけられないって」

 月夜の鋭い指摘に、


「ふふん♪」

 イブキは自信満々に受け流す。


「コトシのイブキさんにはヒサクがあんのさっ!」

 そういってカバンから何かを取り出す。


「みてよ! いまハヤリのプレステ(ショダイ)がたのサイフ! これさえあればイブキさんがゲ~ムずきってのイチモクリョ~ゼンっ! これでコトシは――」


「いつも財布見せびらかしながら歩くの?」

 月夜のさらに鋭い指摘は聞かなかった事にするイブキだった。

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