もちベ。

 いつものバス停にて――


「そ、そうだったんだ……」

 イブキが何かの記事を読みながら、そんな声を洩らしていた。


「モンスタ~とかにおそわれて、タイリョ~シュッケツしてもそのチをのんじゃえば、ず~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っとしなないじゃん! っておもってたけど、ユケツみたいにのんだやつがソクザにホキュ~されるワケじゃないからしんじゃうんだっ!? ムリゲ~じゃんっ!?」

 イブキがそんな小並感全開の記事を読んでいる隣では、


「ピザ屋で持ち帰りMサイズ限定で七五〇円均一っ!?」

 月夜が某ピザチェ~ンのそんなイベントを見て歓喜の声を上げていた!


「ピザかぁ~……五枚ぐらい食べたら一枚分安くなるぐらいかな? おぉ! そ~考えたら一〇枚食べても八枚分の値段で――じゅるり」

 月夜がそんな尋常でない量の計算をしていると、


「ん?」

 下記の関連項目のトコロに、


「は、半額ですってっ!?」

 背後にイナズマの幻影を浮かび上がらせながら、そんな分かり易いショックを受ける月夜。


「ホ~ムペ~ジにある恋愛シュミレ~ションでツンな女将をデレさせればプレゼント……イブキ、イブキっ!!」

 勢いよく隣のイブキをバシバシ叩きながら、


「これやってよ! これやればLサイズ半額なんだってっ!!」

 スマホ画面を差し出しながら、


「う~みゅ……ベツにい~けど……なんかモチベ~ションあがんないなぁ~……」

 イブキは叩かれた箇所を摩りながら、そういうもキッチリとやってがえるのだった。

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