ふぇいくみ~ト。

 さきほどと同じバス停にて――


「な、な、な、なっ――」


「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇェェ!!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった記事を読みながらそんな声を上げる。


「そ、そんな……このウチがだまされるなんて……」

 月夜はあまりのショックにその場に地に手をつける。


「ど、どうした月夜?」

 スマホで何かを読んでいた月夜の奇行に戸惑いながら、そう声をかけるイブキ。


「謎肉……謎肉の正体が……」

 月夜がショックのあまり光を失った瞳で譫言のように繰り返す。


「謎肉が肉じゃなかったのよ」


「?」


「だ・か・ら! 謎肉じゃ肉じゃなかったのよっ!!」

 ショックの波から回復し込み上げてくる怒りを抑えながら、


「大豆だったのよ」


「へェ~……そうなんだ」


「薄っ!? 肉じゃなかったのよっ!! ダマされてたのよっ!!!」


「え~! おいしければモンダイないじゃん」


「大アリよっ!」


「あっ! でもさ~」

 イブキは何かに気付いたようで、月夜のスマホ画面を指しながら、


「ブタさんやトリさんのおニクとダイズをあわせたってかいてあるよ」


「なら、いっか~」


「テのひらがえしはやっ!?」


「おいしければいいのよっ!」


「……それさっきイブキさんがいった」

 意外と手の平返しが早い月夜だった。


 これは『小説家になろう』で52件目のブックマ~ク登録を更新した時に投稿されたものです。

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