五〇〇えン。

いつものバス停にて――


「あさってからクラシックのス〜ファミばんのヨヤクかいしかぁ〜……」

イブキがゲ〜ム情報にのってた、そんな記事を読みながら、


「そ〜いえばキノ〜のサラトガはもりあがったなぁ〜。まさかのソ〜コ〜ク〜ボでト〜サイス〜93キって……カガさんぬかなかったのはちょっとナットクできないブブンもあるけど……かえったらク〜ボのヤセンをしらべないと」

イブキがそんな事を洩らしている隣では、


「コンビので六八〇円のお会計に一一八〇円出したら、気持ち悪いって言われた? ふ〜ん……そんなのフツ〜だと思うケド??」

月夜ネット掲示板で話題になっている、そんな記事を読んでいた。


「うん? そんなメンド〜なコトすんの?」

イブキが不思議そうな表情で口を挟んでくる。


「面倒って……五〇〇円玉でもどってくるの大きくない?」


「イブキさんデンシマネ〜かクレカではらうからゲンキンもたないし」

親名義クレカをピラピラ見せながら、


「セツヤクしたら、そんだけおこづかいにできるから、タマゴかいにトナリマチまでチャリでいったりもするケドね」


「何気にアンタ食費関係の一切をやってんのよね〜」


「まあね。どっちもセ〜カツノ〜リョクゼロだかんね。ノリをつかったリョ〜リがジビキアミのようなアジしたときはなにかレンキンジュツてきなホ〜ホ〜をつかったのかっておもったぐらい」


「ふ〜ん」


「で、月夜はなんで500エンにしたいの?」


「やだ! それは即売会ですぐ出せるように決まって――ハっ‼︎」

咄嗟に自分の口を手で塞ぐ月夜。


「――と、ゆ〜のは嘘で、現行貨幣の基礎である二五進法を――」


「もう、なにをいってもとりかえしつかないよ」

言い訳を並べる月夜にバッサリと言うイブキだった。

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