なにをいれル?

いつものバス停にて――


「サイシュ〜かいいきのナンイドせんたくのサイタは『ヘイ』かぁ〜……まあ、じぜんジョ〜ホ〜でド〜チュ〜じごく、ボスまえジゴク、ボスじごくっていわれてたから、みんなチキっちゃうのもシカタないよね〜」

イブキがゲ〜ム情報を見ながら、そんな事を呟いていた。


「しかもコ〜のとっぱりつ25パ〜セントってコ〜えらんだヒトの4ぶんの1しかクリアできてないって……」

そこで一度口を閉じると、


「なんてモえるテンカイっ!」

握り拳を振り上げてそんな事を言っているイブキの隣では、


「自分が死んだ時に棺桶にいれてほし〜物かぁ〜……」

月夜が女子向けのアンケ〜ト記事を読んでいた。


「ウチが死んだ時に一緒に棺桶にいれてもらいたい物……」


「そんなん、ど〜せギュ〜ドンでしょ」

思案顔の月夜に代わって口を挟んでくるイブキ。


「それも捨てがたうけど……やっぱしそ〜ゆ〜特別な日には弱いかな……一応いれるけど……」


「いれちゃうんだっ⁉︎」

自分で言っときながら驚くイブキ。


「やっぱしウナギかな……? いやでも……う〜ん……一応いれとこうか……」


「いれちゃうんだっ⁉︎」


「あぁ! ダメ多すぎっ‼︎」

数々の料理をイメ〜ジしながら、そんな事をいう。


「まあ、イブキさんがギュ〜ドンはいれてあげるよ」


「ありがとう。かわりにアンタが先に逝ったたウチが牛丼いれてあげるね」


「いや! いらないっ‼︎」

心底、イヤそうな顔で拒否するイブキだった。

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