このミ。

 いつものバス停にて――


「う~ん……」

 イブキが不快そうにそんな声を洩らす。


「あ……あ……あっつい……」

 イブキが頭とスマホから湯気を出しながら喘ぐように洩らす。

 明け方までふっていた雨のせいで湿度も高く、それが顔を出した太陽によって温度とともに湿度も上げ不快指数も上がっていく!


「こんなヒにガッコ~なんてしんじゃうよ……」

 犬のように舌を出しながら、そんな事を言うイブキ。


「確かに今日はちょっとキツイわね~」

 ハンカチで汗をぬぐいつつ月夜が言う。


「でしょ~。もう、あつかったらやすんでオ~ケ~みたいなかんじにしてほし~」


「そんな事したら、アンタ夏の間、一回もこないじゃない」

 月夜の言葉に、


「んっふっふっふっふっふ――さむすぎてもこないっ!」


「威張る事じゃないでしょっ!!」


「あ~……アタマつかったらもっとあつくなってきちゃった」


「いまの会話のドコに頭使う要素があったのかしら?」

 呆れ顔の月夜が言う。


「こんなにアツとアレをクチにしたくなるよね~?」



「あぁ。そ~」


「肉「ロンソ~ダ」」

 まったくハモらない単語を口にする二人だった。

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