せんしんてキ。

いつものバス停にて――


「う〜ん……藤井四段負けちゃったかぁ〜……三〇まで伸ばしてほしかったんだケドなぁ〜……」

月夜が今、話題のニュ〜ス一覧を見ながら、そんな事を洩らしていた。


「へぇ〜……いまの女子中高はいきなりスマホデビュ〜なんだ……って、ウチもだけど……」

月夜は四苦八苦しながら、イブキに使い方を聞いていたデビュ〜当時の事を思い起こす。


「イブキさんはショ〜ガクセ〜のコロからスマホいじってたモンね〜」

なにかの記事を読んでいたイブキはそう言って口を挟んでくる。


「家はアンタんトコみたいに進んでなかったからなぁ~」

 イブキの家のように一人一台のデスクトップ、ノ~ト、タブレットを持ち最新機種に目がない両親のお古を小さい頃からいじりまわしていた特殊な環境と標準的な家庭を比べる月夜。


「あっ! みてみて~月夜がすきそ~なモノあるよっ!!」

 イブキが何かを見つけスマホ画面を見せてくる。


「ほら、月夜のダイスキなピザでできたビキニ!」

 イブキがピザの材料でつくられた水着の画像をみせてくる。


「このビキニ、ピザでできてんだよっ! あっ! でも月夜ガマンできなくてたべちゃうかも? そ~したらポロっちゃうよっ!」


「いや、ピザ好きだケド……こ~ゆ~のはベツに好きじゃない」

 そこはキッパリと言い切る月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る