やってタ。

 いつものバス停にて――


「へぇ~……」

 イブキがスマホで何かの記事を読みながら、感心したような声を洩らす。


「月夜、月夜」

 隣にいる。月夜へと話しかける。


「コレみてよ。ツ~キンやツ~ガクちゅ~のすごしかたでスマホをつかうが80パ~セントこえてんだってさ~。みんなヒマだよね~」

 イブキが自分の事を姿に気付かずそんな事を言う。


「アンタ自分がまさにソレなのに気付いてないのっ!?」

 月夜は呆れを通り越した驚愕の表情で指摘するも、


「ん? ソレ? ソレってなに??」

 全く自覚がなく通じない。


「……まあ、いいわよ」

 何かを諦めたかのような表情でそう言った後、


「まあ、ウチもやってたケドね~……」

 そういって読んでいたオシャレ系ニュ~スにのっていた記事を見せる。


「ビヨ~シがいわれてこまるオ~ダ~?」


「そそ。ウチはいつも『おまかせ』っていってんだケド、ヘアカタログでこ~ゆ~のって選んだほうが美容師さんには楽なのね~」

 きをつけよと呟く月夜。


「あっ! イブキさんもこれやってるっ!!」

 そういって指す先には、


「アンタ。美容室で『カワいくおねがいします』って言ってんの?」


「うん!」


「…………」

 美容師って大変な職業だな~っと思う月夜だった。

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