はんにン。
いつものバス停にて――
「へぇ〜……」
月夜が手に痛々しく巻かれた包帯に四苦八苦しながらスマホを操作していた。
「スシロ〜が一皿九〇円かぁ〜……」
グルメ系アプリの中にあった、そんな記事になぜか月夜の表情は優れなかった。
「いま安売りとかは〜……」
月夜は手全体を包む包帯に視線を向けながら、指先だけでた箇所でスマホいじる。
「う〜ん……なんだろ〜なこれ?」
その隣では、イブキがスマホ画面に写した画像を見ながら首を捻っていた。
「ね〜ね〜月夜。これなんだとおも〜う?」
考えに詰まったイブキが月夜に尋ねる。
「――っ⁉︎ な、なにこれ⁇」
手が痛んだのか、包帯の巻かれた手を押さえながら、
「んとね〜……キノ〜きんじょのス〜パ〜にいったらソ〜ザイこ〜な〜のトコに5このアナがあったの……」
イブキの画像は、その様子を撮ったもので手前に揚げ物と思われる惣菜、奥は鏡になっており、そこには人の指の間隔で空いた穴が残っていた。
「ど〜したらこんなアトはのこんだろ〜?」
「そ、そ〜ね。あっ! ほら。奥の鏡に写った惣菜を取ろうと思ったんじゃない?」
「え〜! フツ〜てまえのやつからとんない?」
「うっ! そ、それは……」
「だいたい、フツ〜のヒトだったらつきゆびしちゃうよ! モノとろ〜としてのばしただけなんだ……もん……? あれ? そ〜いえば月夜、テをケガ……」
「あっ! バス来たわよっ! ほら、行くよ」
そういって強引に話しを切り上げる月夜だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます