ひとがラ。

 いつものバス停にて――


「天丼チェ~ンの『豚角煮天丼』がおいし~と評判かぁ~……」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事に喰いついていた!


「ブタの角煮を天ぷらにするという誰もがネタだと思っていた商品を販売? 確かに豚の角煮という完成された食べ物をさらに天ぷらにするという魔改造にも等しい所業……」

 月夜はむつかしい表情でそう洩らした後、先を読み進める。


「味は良い? そ~なんだ……いやいや、ウチは自分で食べるまで信じないモンっ! 肉汁がジュワ~と染み出て、外側の衣はカリっ……じゅるり」

 むつかしい表情のままそんな事をしている月夜の隣では、


「サイセンタンのイリョ~ぎじゅつでロボットをつかったシュジュツ――ゲ~マ~のウデがやくにたつ? おぉ! ついにニホンでもゲ~マ~のノ~リョクがチュ~モクされんのかっ!?」

 テクノロジ~系ニュ~スの中にあった、医療用ロボットの操作適正にゲ~ム好きの人が高い数値を示した記事にゲ~マ~達の未来を視たイブキ。


「イブキさんのようなスゴウデのゲ~マ~だったら、どんなゲカイシよりもすっごいシュジュツできるよっ!」

 鼻息荒くそう豪語ずるイブキ。


「…………」

 隣でその言葉を聞いていた月夜は重篤の患者にイブキが能天気に手術の説明をしているシ~ンをイメ~ジして、


「……いくら凄腕でも人柄がね~」

 隣で興奮しているイブキを呆れ顔で見つつ、そう洩らす月夜だった。

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