うすい。
いつものバス停にて――
「ふ~みゅ……ゲ~ムでもクッシのナンイドをほこっていたFFⅢのクリスタルタワ~にカイハツシャがチャレンジかぁ~……おもしろそ~」
イブキがゲ~ム情報の中にあった、今夜放送予定のインタ~ネット番組の予告を見ながら、
「アレむつかしかったなぁ~……イブキさんはリメイクでやってそんなにむつかし~とはおもわなかったけど、オリジナルのFCばんはかなりのキチクってき~たな~」
イブキがそんな事を言っている隣では、
「あっ! これカワイイ!」
月夜がフリマアプリを見ながら、そんな声を上げる。
「でも、お金あったかな~?」
スマホ片手にサイフを出し中を確認する。
「う~ん……お年玉つかちゃおうかな? 給料はもうちょい先だし……ん?」
お札を確認していた月夜が何かに気付く!
「イブキ、イブキ!」
「ん~?」
月夜の慌てた声にイブキはそちらを見ると、
「ウチの――ウチの野口さんの髪が薄いんだケドっ!?」
月夜は千円札を二枚見せながら、
「ホントだっ!?」
それを見たイブキも驚きの声を上げる。
「あ~……でも、なんかよくみるとトコロドコロちがうし……」
イブキが二つを比べてみながら、
「こっちはみたコトないね~」
夏目漱石が描かれたほうを指しながら、
「そ、そっかな?」
月夜が半信半疑で、
「はやくつかわないと、カミがドンドンうすくなっていってサイゴには――」
「最後には?」
「ハゲちゃうよっ!」
「うん……でも、まあ使えるなら別にイイわよ。千円でもハゲ円でも」
「かちもさがっていったりして」
「さすがにそんなワケないでしょ!」
そう言いながらヒラヒラ振る札の漱石が悲しそうな表情をしているようだった。
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