いつものバス停にて――

「ウチの大好きな『どん兵衛』って西日本と東日本で味が違うんだっ⁉︎」

月夜がグルメ系アプリの中のあった、そんな情報に今年一番(まだ二十日しか経ってないけど)の驚きをする。

「原材料が書いてあるトコに(E)って書いてあると東日本で西だとWかぁ〜……北海道はHって書いてあるんだっ！へぇ〜おもしろい‼︎ 全部揃えて食べ比べしてみたいなぁ〜……じゅるり」

月夜がそんな野望を抱いている隣では、

「月夜、月夜」

イブキはなにかを見つけて話しかけてくる。

「みてよ。ニジュ〜サンマンエンのピザだって」

そう言いながら見せてくるイブキのスマホ画面には金箔にフォアグラ、トリフ、キャビアののったピザの画像が写っていた。

「たっかっ！しかも高級なモンばっかし、ピザってゆ〜のは、もっとこうチ〜プでジャンクじゃないと……」

「たべたくないの？」

「う〜ん……どんな味がするかだけ知りたい……かも？」

少し考えた後に、

「ヒトクチで5700エンだって」

「やっぱし、そのお金で普通の二枚かな〜」

豪華すぎるピザを見ながら、そう洩らす月夜だった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい