ますく。

いつものバス停にて――


「某ピザチェ〜ンで格安で価格で注文する裏技っ⁉︎」

月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事に飛びつき画面が割れんばかりの勢いでタップする。


「英語サイトでオ〜ダ〜? なんでわざわざ英語サイトで頼むんだろ?」

月夜が首を傾げながら、続きを読み進める。


「英語サイトには日本語版にはない『Special Offers』という項目があり、一般的な生地とトマトソ〜スに二種類ほどのトッピングをのっけてコ〜ラを追加すると一五一〇円になり、日本のサイトで普通に頼むと一九八七円になるのと比較すると四七七円も安くなるかぁ〜……」

月夜がそんな事を洩らす隣では、


「カゼのときにマスクをしないのはマナ〜いはん?」

イブキがそんな内容の記事を読んでいると、


「まあ、クシャミや咳のたびにウィルス撒き散らしてるワケだしね〜」

横手から月夜もそんな同意を示す。


「でも、みみいたくなるじゃん。イブキさんのカオもかくれちゃうし……」


「そ〜ね。長い時間つけてると耳痛くなるのよね〜」


「あと、いきぐるしいし、イブキさんのカワイイかおがかくれちゃうし……」


「ま〜ね。慣れるしかないかな〜」


「あとは、ほら、イブキさんのカオ――」


「それはど〜でもいい」

キッパリそう言い切る月夜だった。

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