ぼんの〜

いつものバス停にて――


「丸亀でおっきい海老天ウドンにロ〜ソンでデカ焼き鳥――デカシュ〜クリ〜ムとお正月は単純におっきくしただけの商品が多いなぁ〜」

月夜がグルメ系アプリを見ながら、そんな事を洩らす。


「単純だけどそこがイイっ! ウチはそ〜いうの好きよっ‼︎」

握り拳を掲げながら、そんな事を力説する月夜に、


「イブキさんもキョネン、セブンいったらプッチンプリンのおっきいサイズあったからかいしめちゃった」


「う〜ん……まだ年明けも先なのに早くも煩悩塗れね。ウチら」

月夜が少し落ち込みぎみに、


「ボンノ〜?」


「一〇八あるって言われる人間の欲の事よ。ほら除夜の鐘って大晦日に『ポ〜ン、ポ〜ン』って鳴らしてるでしょ。あれはこの煩悩の数だけ打ってんのよ」


「へェ〜……イブキさんはてっきり「コトシもイイコトなかったぞっ! チキショーっ‼︎」ってならしてんのかなっておもってた」


「そんなワケないでしょ‼︎」

そう突っ込みをいれる月夜だった。

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