ぷれぜんと。

 いつものバス停にて――


「今月の月替わりお肉は――?」

 月夜がステ~キチェ~ン店の月替わりメニュ~をチェックする。


「おっ! 今月は『熟成リブロインステ~キ』かぁ~。いいじゃない! 食べ放題料金が五〇〇〇円だから三枚食べたら元は取れるなぁ~」

 月夜が二〇〇グラムのステ~キ画像を見ながら、そんな計算をしている隣では、


「クリスマスにされたオンナのコからされてうれしくないプレゼント? そっか~そんなコトにまで、きをつけないとダメなのか~カレシもちのオンナのコは……」

 そんな事を洩らしながら先を読み進めるイブキ。


「でも――アタマにリボンつけて「ワタシがプレゼントよ」はやってみたいなぁ~」

 画面を下へとスクロ~ルさせながら、そんな事を洩らす。


 すると――


「むっ!」

 イブキのいった「ワタシがプレゼント――」が『もらって嬉しくないプレゼント』にはいっており、顔をしかめるイブキ。


「そっか~……ダメなのか~……」

 少しショックを受けながら、


「アンタ、そんな事したかったの? ドン引き」

 追い打ちをかけるように月夜にもそう言われる。


「あう……」


「まあ、もらってイチバンうれしくないモンじゃないからいいっか」

 自分に言い聞かせるように、


「あら? 一位じゃないの?」


「うん。一位は『食べ物』だって」


「なんでっ!? 食べられる物ってサイコ~じゃない!!」


「いや、カタチにのこんないし、プレゼントとしてはど~なのってゆ~……」


「いやいやいや! 血肉になって残んのよっ! これほどサイコ~のプレゼントもないでしょ!!」


「う~ん……そっかな~?」


「そうよ! そう!!」

 力強くそう言いながら、ふと何かを思い出したかの様に、


「でも、ウチ等には関係ない話しか……」


「そだね~……」

 今年も寂しいクリスマス予定の二人だった。

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