ひつよ~せ~

 いつものバス停にて――


「スマホでしんゲ~ムリリ~スかぁ~……」

 イブキが厳しくなってきた12月の外気の中、白い息とともにそんな事を洩らす。


「『みんゴル』と『ゆうなま』かぁ~……『ゆうなま』はともかく『みんゴル』はスマホのガメンでこまかいソ~サとかできんのかな?」

 タッチパネルを操作できる手袋を着けたまま、スマホを軽快に操りながら、


「うぅ~……さむさむ」

 不意に『ぴゅ~』と風が吹き、イブキは身体を震わせる。


「イッテ~いかのキオンになったらガッコ~やすみになればいいのに……」

 恨めし気にそう呟くイブキ。


「うちがわにデンネツセンをと~したコ~トがうってたけど、アレほし~な。でも、あれってデンキとかどっかもってくんのかな? それとも、どっかのヒトガタケッセンヘ~キみたいにケ~ブルのびてんのかな?」

 イブキが首を傾げる隣では、


「松屋でビ~フシチュ~に味噌汁ついているのがいらないのでは? と話題かぁ~……」


「シチュ~にミソしるついてくんのっ!?」

 月夜の呟きを聞きとめたイブキが驚きの声を上げる!


「そ~みたいよ。まっ、カレ~にも味噌汁つける松屋ならそれくらいやりかねないわよ」

 月夜がそう言いながら笑う。


「ふ~ん……月夜でものこすの?」


「もちろん――全部ありがたく頂くにきまってんじゃない!」


「たべんのっ!?」

 結局、合う合わないじゃなくって量を重視する月夜だった。

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