ますた〜おぶ・どらごん。

いつものバス停にて――


「ソ、ソ〜ト〜のヘビ――マスタ〜オブ・ドラゴン……」

イブキがスマホ画面を見ながら、驚愕の表情で洩らす。


「う〜ん……名前の割のカワイイじゃない」

月夜がイブキの新型スマホを覗きこみながら、そこに映っている二股に分かれた頭を持つ手のひらでヒョコヒョコ動いてる蛇を見ながら、


「ちがうよ月夜。マスタ〜オブ・ドラゴンってのはこのヘビさんがいるペットショップ? ハチュ〜ルイショップ?? のなまえで、このコのナマエがマスタ〜オブ・ドラゴンってワケじゃないよ」


「なに、この爬虫類ショップの名前気に入った?」


「……うん」

そこは素直に認めるイブキ。


「でも、意外。ヘビとか好きなに?」


「ヘビはさわれないけど、ドラゴンをたおすのはスキっ!」

キリっ!

と、勇ましい表情で言い切るイブキだった。

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