げんて~

いつものバス停にて――


「やっちゃった……やっちゃった……」

イブキがバス停に身を預けながら、そんな事呟いている。


「セツエ〜タイないのにさきにドラムかんすてちゃった……ふたつも……ドラム2コあるならダイハツ2かいもカイシュ〜できるのに……メカざわクンならふたりもつくれんのに……」

秋空の過ごしやすい空気の一角で負のオ〜ラを撒き散らしながら、


「た、大変っ!?」

 そんな雰囲気もモノともせず、


「見て、見てよ! イブキ」

 興奮ぎみにイブキの肩を叩く!


「んぁ? なによ~もう~??」

 億劫そうに答えるイブキの視線の先には――


「カップヌ~ドルの缶詰だってっ!」

 どこのコンビニにも置いてある、縦長の真っ白容器の画像を見せながら、


「しかもよ、しかも、生カップヌ~ドルなんだって!! なんでも生って付くとおいしそ~に感じるよね? よね??」

 とテンション高く同意を求めてくる。


「えぇ~! そっかな??」

 腕をバス停に巻き付けたまま首を傾げるイブキ。


「しかも、これ限定販売なんだっ! げんて~!!」

 ここがポイントだと言いたげに『ズイっ!』と顔を寄せながら言ってくる。


「もう~……ホント、ゲンテ~とかってコトバによわいよね~月夜は……」

 呆れ顔のままそう言い張ったイブキが5分後に限定販売される『ミニファミコン』の抽選購入に当選して月夜と同じぐらいにテンションになるのだった。

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