み~と。
いつものバス停にて――
「カップヌ~ドルの新味かぁ~……」
月夜が愛用のグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「謎肉の10倍入れた~……肉っ! ジュ~バイっ!!!」
月夜が肉と10倍という一部のワ~ドにのみ反応してテンションを上げる。
「月夜月夜っ!?」
慌てて隣で新型スマホの流出情報を見ていたイブキが声をかける。
「なによ?」
夢中になってる時に声をかけられ、少し不満そうに答える月夜。
「よ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~くかんがえてよっ! ナゾなんだよっ!! ナゾのおニクなんだよっ!!!」
必死に思いとどまる様に身振り手振りを交えつつ説得を試みる。
「でも……お肉だし……しかも十倍だし……」
月夜が物欲しげな表情で口の端に人出し指をあてながら洩らす。
「なんのおニクかわっかんないんだよっ!」
畳みかける様に言うイブキ。
「だ、大丈夫よ。ちょっと齧ってみてダメそ~ならやめればいいんだし、カップメンに変な物いれないでしょ!」
楽観的にそう言い切る月夜に、
「う~ん……もしショクリ~キキがきても月夜だけ、いきのこるキがする……」
野人姿に石槍をもった月夜の姿を想像しながら、そう呟くイブキだった。
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