おわりとさいかい。

 いつものバス停にて――


「こ、こち亀おわちゃうんだっ!?」

 月夜が話題の記事をまとめたものの中から、そんな記事を見つける。


「他にはこれといって――マックの新ランチかすきやのアボカド牛丼ぐらいかぁ~……」

 スマホを操作しながら、そんな風に洩らす月夜の隣では、


「モモテツっ!!」

 イブキがテンションMAXでそう叫ぶ!


「うわっ!? なになに? ど~した??」

 突然の大声に飛び上がって驚く月夜。


「月夜月夜! モモテツ!! モモテツがふっかつすんだってっ!!!」


「あ~……あのボ~ドゲ~ムみたいなやつだっけ?」


「そそ。スマブラやドカポンといっしょで、みんなでワイワイやるけ~のゲ~ム」


「ドカポンってなに?」


「あぁ~……マリカ~もおもしろいよね」


「ウチ、あ~ゆ~のやると身体が傾いちゃうなぁ~」


「いるいる。そ~ゆ~ヒトいるよね」

 イブキが月夜を指しながら、そう言う。


「でも――」


「ん?」


「モモテツ? それってみんなでワイワイやる系のゲ~ムなんでしょ?」


「そだよ」


「アンタが友達とワイワイやってる姿イメ~ジできないんだケド……」


「それはね……」

 イブキの瞳からス~と光が消えていき。


「ひとりでキュ~ジュ~キュ~ねんにセッテ~して、ひたすらアカオニをイジめまくるヒビをたのしむんだよ……」

 黒いオ~ラのようなモノを纏いそう呟くイブキの雰囲気に圧されて、それ以上なにも言えなくなる月夜だった。

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