クマはんた~

 いつものバス停にて――


「自由研究かぁ~……」

 月夜が小学生のランドセルから飛び出している前衛的なナニカを見ながら、そんな風に洩らす。


「ウチもいろいろやったなぁ~……時間なくてペットボトルに跳ねつけて色ぬって『ロケット』として出したり、コンビニのパン食べ比べレポ~トとか、自販機の地域による偏りとか――あんなんでよくOKしてくれたよなぁ~」

 朝の青空に小学生の頃の担任の顔を浮かべながら(死んでません)、呟く月夜。


「月夜! 月夜!!」

 少し遅れて姿を現したイブキが血相を変えて月夜に迫る!


「なになに!? ど~したの? くるなり突然」

 イブキの様子にたじろぐ月夜。


「けがしたってき~たからさ、ダイジョブなの?」


「怪我? ウチが?? 誰から聞いたの???」

 首を傾げながら聞き返す月夜。


「きの~ケ~リュ~つりしてたヒトがクマにおそわれてスデでげきたいしたけど、ケイショ~をおったって……」


「ウチじゃないから! その人!!」


「えぇ! 月夜いがいにクマをたおせるヒトいるのっ!?」


「むしろ、なんでウチは熊を倒せる前提の話しになってんの!」


「だって、カワでサカナとってるくいしんぼ~でクマをたおせるオッサンなんて月夜いがいいないでしょ?」


「一番、最後のオッサンってトコでウチじゃないでしょ!」

両手を挙げて、そう抗議する月夜だった。

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