くらっしゃ~

 いつものバス停にて――


「う~ん……」

 目の下にできた、ものすっごい隈をスマホの自撮り機能を鏡代わりに確認しながら、イブキがそんな声を洩らす。


「どしたの? またゲ~ムのやりすぎ?」

 月夜が余り心配してなそうな口調で、


「いや~……キノ~さ、おと~さんがレイトショ~でゴ〇ラみてきたんだけど……」


「あぁ……割と評判いいよね」


「うん。ゲキジョ~もほぼマンセキだったって――んでね、みてたらユイツ、ゴ〇ラにこわされてなかったヒトマルだったかな? そのセンシャがこわされちゃったんだって」


「ふ~ん……」

 月夜は興味なさそうにスマホ画面を見ながら、そう答える。


「でね、おと~さんってすっごいセンシャずきだからさ~」


「ふ~ん……そんなに戦車好きなの?」


「うん……カリョクエンシュ~のチュ~センにあったたトキなんて、テンアゲじょ~たいになってできないクセにバクチュ~してアシのユビのホネおちゃったのに――」


「うわっ! 逆にそこまで悲惨ね」


「でも、エンシュ~はみにいったんだよ」


「行ったんだっ!? その前に病院でしょっ!!」


「センシャがサイコ~のクスリだって」


「そこまで好きなモノに打ち込めるのにいい事(?)ね~」

 ものすっごい棒読み調でそういう月夜。


「だから、キノ~のよるはゴ〇ラにこわされちゃったのがよっぽどショックでヒトバンジュ~、イブキさんにセンシャのミリョクをかたってんだよ~……」


「それは災難だったわね~……あっ! 8月11日の山の日にロッテリアで山盛りポテトが半額になんだっ!!」

 月夜にとっては最初から最後までど~でもいい話しだった。

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