きぶんてんかん。
いつものバス停にて――
「イ〜のろくが……ろくコ〜が……」
髪が乱れ、目のしたにクマをつくったフラフラのイブキがそんな事を呟きながらバス停に寄りかかる。
「イ〜なななんて、ぜんぶ……ぜんぶヒメなんだモン……」
うめき声のように洩らす。
「なにこれっ⁉︎」
月夜がスマホを見ながら、驚きの声をあげる。
「ベトナムのファミマから『のび太のママまん』? なんか異常にクオリティ高いケド……なになに母の日に合わせての商品?」
月夜はそう言いながら物凄く高い再現度で作られたのび太ママの顔がた中華まんをみつめる。
「こんかい……はじめてコ〜くんしょ〜のがすかも?」
そんな事を言いながら、バス停の時刻表のトコを指で突く。
「あ~~~~~~~~~~~~~~~もうっ! いい加減にしないさいよっ!! 今日は気分転換に遊びに行く約束でしょっ!!!」
「う~……ごめん」
そういって『シュン』という効果音でも付きそうなほど、その場で蹲るイブキ。
「…………」
さすがに少し言い過ぎたかな? とバツの悪そうな顔で頬を掻く月夜。
しかし――
「そうだよねっ! こんなコトでクヨクヨしてたらクソゲハンタ~できないよねっ!!」
「うわっ!? なんか知らないケド、急に復活したっ!?」
「ウンエ~だってバカじゃないモンね。きっとゼンサバのテ~トクがゼツボ~にうちのめされたら、ユ~ザ~インタ~フェ~スの『ゆ~ぐんかんたい』ってトコがサッソ~とかがやいて「またせたなっ!」とかいいながら、チョ~つよいみかたがあらわれるシヨ~なんだよっ!!! わかんないけど、きっとそうっ!!!!」
瞳に炎を宿し、握り拳でそう言い放つイブキ、
「いや……うん……まぁ……元気になったのはいいんだケド、どこ行こうか?」
「う~ん……」
二人揃って考えこみ――同時に口を開く。
「かんこれ「お肉ア~ケ~ド!」食べ歩き!」
両者の溝は深そうだった、
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