ぱふぱふ。
いつものバス停にて――
「マックで新商品の『グランドビックマック』予想を上回る人気で一部店舗で販売休止かぁ~……『ギガビックマック』は大丈夫なのかな? ウチ、ギガのが好きだから心配だなぁ~」
月夜が心配顔でそんな事を呟く隣では、
「ぱふぱふかぁ~……」
イブキがそんな事を呟く。
「アンタ何言ってんの?」
その呟きが聞こえたのか月夜が呆れ顔でそう言ってくる。
「ん? あぁ……ビレヴァンでうってる『でんせつのタネ』シリ~ズにあたらしいのがでたんだって。それが――」
「ぱ――そ、それなのね」
「うん……」
と、スッキリしない表情で、
「どしたの?」
「いや~。『すばやさのタネ』とか『かしこさのタネ』とかはわかるけど……『ぱふぱふのタネ』ってなんだろ~?」
考え込む表情のままそう言ってくるイブキ。
「そ、それは――」
「月夜わかるのっ!?」
思わず答えそうになって『ハっ!』と我に返る月夜。
「ね~ね~。おしえてよっ!」
そう言って駄々っ子が母親にするように月夜の片手を引っ張るイブキ。
「ちょ――は、離してよっ!」
月夜が周囲の目を気にしながら、そんな抗議をする。
「じゃ、おしえてよ~。パフパフってなに? パフパフってど~ゆ~の? パフパフってど~やるの?」
通勤途中のサラリ~マンが『ぎょ』とした表情で二人を見る。
「う、ウチも知らないわよっ!!」
周囲の視線に耐えつつ、そう叫ぶ事しかできない月夜だった。
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