もんすれ。

 昼食も終わり、午後の授業が始まる前の教室で、


「ねね、月夜」


「ん〜?」

月夜が春の陽光と満腹感からくる睡魔と戦いながら、イブキの声に反応する。


「ポ〜ランドにモンスタ〜スレイヤ〜よ〜せ〜がっこ〜があるんだってっ!」

ゲ〜ム世界の光景を想像してかテンアゲでそう言ってくるイブキ。


「へぇ〜……」

と、気のない返事をする月夜。


「げんさくはショ〜セツなんだけど、ゲ〜ムかしたしたスタッフたちがデシをあつめて、おしろでクンレンすんだっって――」

というイブキの声を子守唄代わりに微睡みの中に堕ちていく月夜。


「――月――夜――」

微睡みの中で呼ぶ声に瞼を開くと――


「あっ! やっとおきた」

目の前には木製なのかプラスチック製なのか青紫色の鎧を身につけたイブキがいた。


「ここドコよ……ウチは――」

 そう言って月夜は背を預けていた『物』から立ち上がる。


「えっ!?」

 立ち上がった拍子に自身の姿が視界に入ってくる!


「ちょ――もう! なんなのっ!?」

 悲鳴を上げ、その場にしゃがみ込む月夜。


「えぇ~。月夜がビキニア~マ~サイコ~だぜ! っていってきたんじゃん!」

 そのイブキの言葉が示す通り、月夜はとても身を守る効果なんてなさそうな布面積が極端に少ない物を身に着けていた!

 ほっそりした首や浮き出た鎖骨は白日の元に晒され、たわわな胸は大半が露出し、前面のある部分だけ辛うじて隠されている。

 引き締まった腹筋はまるだし、かわいらしいオヘソは出し、腰骨からゆるく盛り上がるお尻も隠す物はなく。

 鼠径部の半分は露出し、残りの半分と大事な部分には紅い色の布で申し訳程度に隠されてる。


「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理! ウチにはファンタジ~はぜ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~たい無理!!!!!!!!」

 モンスタ~スレイヤ~養成学校の話しを延々していたイブキは突然、立ち上がってそんな事を叫ぶ月夜に、


「あぁ……うん……そなんだ……」

 突然の反応にそう返すのが精一杯のイブキだった。

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