うま〜いボ〜

 いつものバス停にて――


「しゃくしゃくしゃく――」

イブキが棒型の駄菓子――うまい棒を頬張っている。


「しゃくしゃくしゃく――う〜ん……イブキさんメンタイあじがスキ、ホンモノのメンタイコはニガテふぁけど……」


「アンタが甘い物じゃなくて駄菓子なんて珍しいね」

月夜もコ〜ポタ味を食べながら、


「なんかアニメでやってるのみてたら、たべたくなちゃって」


「あぁ……アレね」


「ぬ⁉︎」


「ん? どうしたの?」


「チ〜ズあじがいっこしかない……」

イブキが棒菓子を振りながらそう言う。


「大丈夫よ。ダ~イジョブ! ちょっと貸して」

 そう言いながら手を差し出す月夜に、


「わたした、しゅんかんにたべちゃたりしないよね?」

 イブキは疑わし気な視線を月夜の手と顔に向けた後にそう言う。


「しないわよっ! ガメツすぎでしょイブキの中のウチのイメ~ジはっ!!」


「うまい棒を平らなトコにおいて、両手で上からグッっと圧迫すると――」

 口で言いながら、その通りに実行する月夜。


『ぱきっ』


「――って、音がしたら成功。中を見て見ると――」

 包装を破って中を開ける。


「綺麗に4つに割れるの、一人2個づつだよ。ハイ」

 4つになってしまった、うまい棒の欠片の中から二つの欠片をイブキに渡す。


「へェ~……すご――くないかベツに」

 一瞬、褒めそうになって実は大したスキルじゃない事に気付いたイブキだった。

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