ひげき。

 いつもバス停にて――


「えぇ〜そんな〜……」

月夜が今月の終わりに隕石の直撃を受け地球が消滅するっと聞かされたかの様な悲痛の声を上げる。


「ん? どったの? ぽりぽり」

イブキがバタ〜の芳醇な香りを漂わせたおっきいメロンパンを嚙りながら、


「コンビニのアルバイトって廃棄食べほ〜だいじゃないんだっ!」

そう言いながら弁護士ドットコムに相談というかたちで寄せられた記事が写しだされたスマホ画面を見せる。


「ふ〜ん……ハイキのおべんと〜もいちお〜ショユ〜ケンがテンチョ〜にあるからだまってもってかえったりすると、セット〜になるカノウセ〜があるネ」

イブキがメロンパンのカスを頬に付けたまま内容を読み上げる。


「でも。月夜、コンビニバイトなんかしてないじゃん」


「いつかやってみたいと思ってたのっ! あぁ~……」

月夜はウットリと恋する乙女のような瞳で、


「あの食べ物でいっぱいの店内……賞味期限過ぎてるから食べていいよ~なんて言われたら……じゅるり」

 もし、近い将来食料危機が起こったら間違いなく月夜のせ~だと内心で思ったイブキだった。

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