たべほ~だい。

 いつものバス停にて――


「サ~ティワンの新作『バナナスプリットサンデ~』かぁ~。う~ん……でも、9月1日からか、ちょっと先だなぁ~……あぁ~あ――」

 茹だるような猛暑の中、真っ白で細い腕を上げ軽く伸びをする。


「おなか一杯食べたいなぁ~」

 夏バテや食欲不振を一切感じさせない発言。まったく日焼けのない首筋や、鎖骨の浮いた華奢な肩まわりからは、そんなに食べる印象は受けない。


「月夜はビュフェってゆ~かバイキング? とかはいかないの?」

 イブキが横から口を挟んでくる。


「う~ん……行ってみたいケド――それとビュフェは好きな物選んで後でお金払う形式で食べ放題のバイキングとは違うからね。イブキはバイキングいったらなに食べたいの?」


「へェ~。イブキさんはデザ~トいっぱいもってくるとおもう! じぶんでソフトクリ~ムまけるならゲンカイへチョ~センするととおもう!! 月夜は?」


「ウチ? ウチは肉料理中心かな! お皿にいっぱいのお肉……あぁ……イイ……じゅるり」


「うへ! このジキにそんなおもいモノよくたべるね」

 イブキが聞いただけで胸やけしたという様に手で胸を押さえ顔をしかめる。


「そ~いう時こそお肉でエネルギ~よっ!」

 自信満々にそう言い切る月夜だった。

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